想定外・失敗事例集(2014-2018)
- snufkin50(Member_06)
- 2019年3月3日
- 読了時間: 16分
~ 2014年から2018年までの「単独山行」における想定外・失敗事例集 ~
来年度の山行シーズンをむかえるに当たりご参考までに公開します。

【撮影日時】2017年10月1日午前6時42分
【撮影地点】双六小屋から槍ヶ岳への西鎌尾根
【タイトル】影槍ヶ岳
【コメント】想定外・失敗事例を乗り越えた先に突然現れる絶景
注1:ここでの用語について
[失敗事例]:事前の準備や情報の事前リサーチにより防ぐことができたものと思われる事例
[想定外事例]:アクシデントや想定外の事象が発生した事例
注2:対処方法について
「対処方法」に掲載されている内容はあくまでも筆者の主観の域をでない「参考」として掲載したものです。ご留意願います
【ケース01】熊が猛然と自分に向かって突進してきた-想定外事例-
01_1) 山域(問題発生地点)
鳥海山・祓川ルート(七高山の山頂・直下)
01_2) 山行日
2014/5/20
01_3) 概要
残雪期の鳥海山・祓川ルートを登攀中の午前8時30分頃、舎利坂の取付近辺にて、前方、七高山山頂にほど近い所に熊がいるのを発見。熊追い払い用のホイッスルを吹き鳴らすと、七高山・山頂方面に逃げていった。これでひとまず大丈夫だろうと考え、そのまま舎利坂を登っていったら、山頂に既に登頂していた2人組の登山者がなぜか山頂向かって右手側に固まって立っていて、山頂向かって左手側をしきりに指さしていた。何だろうと疑問に思いながら登り続け、山頂直下10数メートル程度下の場所にさしかかったとき、突然、山頂の岩陰に隠れていた熊が弾丸のように自分めがけて駆け下りてきた。
下ってくる熊に正対しホイッスルを吹きながらピッケルを持った右手を上に振り上げ、衝突まぎわで上から下に振り回し、同時に正面向かって左側(東側)に体をかわした。熊はそこで大きく正面向かって右側(西側)に方向を変え、そのまま下っていった。体をかわした勢いで10メートル程度滑落したが、ピッケルを使用して滑落を停止させた。なお先着2人組に熊の大きさを聞いたら、あまり大きくない熊だったとのことである。
熊に対して背を向けて逃げなかったことが功を奏したものと思われる。威嚇のためだけに駆け下りてきた可能性もあるが、その一方で背を向けて逃げていたら背後から飛びつかれていた可能性もある。 2014年5月20日(火)は平日で登山客は「まばら」。天気は晴れときどき曇り。おそらく当日の七高山山頂に最初に到達したのが男性2人連れで、筆者は3人目であったと思われる。
01_4) 損害内容
なし
01_5) 対処方法
今回のケースでは、熊の追い払いが中途半端だったように感じている。追い払いを行うのであればさらに徹底して行いたい。
今回のこの経験を踏まえつつ、以降、熊出没の可能性の高い山域に踏み入る場合は「熊追い払い用のホイッスル」と「熊撃退スプレー」を携帯し「ラジオ」を鳴らしながら歩くようにしている。
01_6) 備考
その後も何度か熊を目撃する事例はあったが、いずれも大事には至っていない。
【ケース02】眼鏡(レンズ)を熱変性で損傷させた-失敗事例-
02_1) 問題発生地点
JR新庄駅前東口駐車場
02_2) 山行日
2015/7/20-2015/7/23
02_3) 概要
新庄駅(山形県新庄市)から山域(南アルプス・白峰三山)の最寄り駅である甲府駅までの電車移動のため、新庄駅前の駐車場に車を4日間駐車したが、その間、車中に置いたままにしておいた眼鏡のグラスが車内の高温により「すりガラス状」に熱変性。その結果、使い物にならなくなってしまった。
02_4) 損害内容
眼鏡の購入先である秋田市内の眼鏡店に修理にだしたら、この機会に熱に強いグラスに交換してはどうかとの提案があった。その提案を受け入れたこともあり、結局27,648円の出費
02_5) 対処方法
盛夏に車を長期間駐車するようなときは、破裂するもの(ex.圧縮気体の封入されたスプレー缶等)や熱変性するもの(ex.今回のような眼鏡等)は車中に置きっ放しにしない、あるいは最初から車内に入れておかないようにしたい。
【ケース03】ガスカートリッジのガスが使用中なくなった(パート1)-失敗事例-
03_1) 山域(問題発生地点)
裏銀座縦走(上高地・横尾山荘のキャンプ場)
03_2) 山行日
2015/7/28
03_3) 概要
ガスカートリッジとクッカーで自炊しようとしたところ、途中でガスの出が弱くなり、最終的に完全ガス欠。生煮えのラーメンを食した。ガスカートリッジを横尾山荘に買い求めたが販売していないとのこと。結局、裏銀座縦走路にある槍ヶ岳山荘、双六山荘でも販売していなかった。
03_4) 損害内容
横尾山荘の次の宿泊予定先である双六小屋では自炊せず、店頭販売の「うどん」と「カレーライス」を注文したため、この食事代分が強いて言えば損失
03_5) 対処方法
ガスカートリッジは思いのほか山小屋では販売していない。したがって次に掲げる手順によりガスの残量を事前計測し、残量チェックを行っておきたい。残量が少なくなっていることが判明した場合は、事前に新しいカートリッジを購入し対応したい
手順_1)デジタルキッチンスケール(ホームセンターや通販サイトで購入可)でガスカートリッジ全体の重さ(A)を軽量する
手順_2) 容器の重さ(B)を差し引く。例としてイワタニ・プリムスの場合、容器の重さ(B)と内容量(C)は次のとおり
型番PG-110(小型):容器(B)103グラム/内容量(C)110グラム
型番IP-250T(中型):容器(B)150グラム/内容量(C)225グラム
型番IP-500T(大型):容器(B)202グラム/内容量(C)465グラム
手順_3) ガスの残量をパーセンテージ表示したい場合は次のとおり
(通則)(A-B)×100/C(%)
(小型)(A-103)×100/110(%)
(中型)(A-150)×100/225(%)
(大型)(A-202)×100/465(%)
03_6) 備考
裏銀座縦走について
【ケース04】テントフレームを折ってしまった-失敗事例-
04_1) 山域(問題発生地点)
裏銀座縦走(双六小屋のキャンプ場)
04_2) 山行日
2015/7/29
04_3) 概要
テント設営中、テント本体(アライテント_エアライズ1)のフレームスリーブにフレームを最奥まで差し込まないまま、曲げ作業に入ったところ、「バキッ」と音がして、フレームが折れた。折れた箇所は、フレームの端に近い部分。付属のリペアスリーブ(フレームの断面直径より少し大きめ中空の管)を外側に被せることにより緊急対応しようとしたが、破断面が広がっており、被せられなかったため、結局次のように対処した。
緊急対処_1 折れていないもう一方のフレームを手でへし折り、2本あるフレームを強制的に同じ長さにした。
緊急対処_2 同じ長さにした2本のフレームをそれぞれフレームスリーブに差し込み、各フレームの先端を対極にある穴に入れて強制的に設営(参考:本来の設営方法)
これにより設営できたことはできたが、外側のフライシートにシワが目立ち、本来のテントよりもずいぶん背の低いテントになってしまった(いわゆる「シャコタン_テント」)
04_4) 損害内容
アライテントの取扱店になっているスポーツ店を通してフレームを購入した。結果11,729円の出費
04_5) 対処方法
フレームをフレームスリーブ最奥まで必ず差し込むことを徹底したい。最奥まで差し込まずにフレームを曲げて対極にある本体の穴に差し込もうとしてもフレームの先端は穴までなかなか届かないはずである。力で作業してはならない。違和感が生じたときはすぐに作業を中断する。
【ケース05】脱水症状を招いてしまった-失敗事例-
05_1) 山域(問題発生地点)
針ノ木峠から烏帽子小屋までの縦走路(船窪岳第二ピーク近辺)
05_2) 山行日
2016/7/11
05_3) 概要
想像以上のハードコースであった上に想定外の暑さ(推定気温25度)も加わり、船窪岳第二ピーク付近で脱水状態となった。さらに悪いことに飲料水の残量も極めて少なくなっていた。船窪キャンプ場に戻るかこのまま進むか迷ったが、鎖場・難所である船窪乗越(ふなくぼのっこし)を再度超えるリスクとまだ時間に余裕があったことを踏まえ、そのまま烏帽子小屋を目指した。なお脱水状態により体に次のような変調をきたした。
変調内容_1)水は飲めるが栄養補給のため行動食を口にしようとしたが吐き気により受け付けなかった。
変調内容_2)登り斜面では、通常では見られないような呼吸の乱れが生じ、二十歩から三十歩立ち止まって息を整えるか小休憩しなければ登ることができないような状態となった。
変調内容_3)あるはずもない水の流れる音が聞こえる等の幻聴が生じた。
日没までの長期戦に持ち込む覚悟で、ペースをさらに落とした。登り斜面では歩数を数え、二十歩ないし三十歩ほど歩いては立ち止まり呼吸を整えるということを繰り返した。やがて南沢岳山頂直下に至り雪渓が現れる。融雪による水取得が可能となるため有力なビバーク候補地と位置づけた。しかしながらこの時点で行程の大部分を消化していたこと、飲料水がわずかではあったがまだ残っていたことから、このままゴール(烏帽子小屋)を目指すことにした。なお、途中、ショートカットの可能性を探る等、安易な考えに支配されそうになった。仮にそれらに惑わされ衝動的な行動をとっていたならば、明らかに遭難していた。脱水症状に陥った人間の精神状況は尋常ではない。衝動的になりやすい。今歩いている登山道がただ一つの生還の道であることを肝に銘じておかなければならない。
05_4) 損害内容
特になし
05_5) 対処方法
船窪のキャンプ場で幕営するのが正しい選択だった。船窪のキャンプ場に到着したのが、午前8時45分だったが、テント泊の早着に遠慮は不要であると考える。受付時間まで待てばよい。遭難騒ぎの方が比較にならないほど山小屋関係者各位に迷惑をかけることになる。
さらに行程に比してザックが重すぎた。15キロ以上はあったと思われる。針ノ木雪渓を登ってきた際に使用したアイゼンは結局「針ノ木雪渓のみの使用」で済んだので、その他の行程においてアイゼンは「ザック内での重い石」となった。大沢小屋での軽アイゼンのレンタル(針ノ木小屋で返却)も選択肢に入れても良いように思う。ピッケルに至っては一度も使用しなかった。

【撮影日時】2016年7月11日16時27分
【撮影地点・タイトル】前烏帽子岳から帽子小屋(鞍部)へ・ゴール間近
【コメント】下りきった先がその日のゴール(烏帽子小屋)。長かった1日がまもなく終わりを告げる。なおその先に延びるの道は裏銀座縦走路
【ケース06】マットを紛失してしまった-失敗事例-
06_1) 山域(問題発生地点)
三ツ石山(推定・犬倉分岐から三ツ石山までの縦走路)
06_2) 山行日
2016/7/19
06_3) 概要
ザックに外付けしていたマット(モンベル/U.L.コンフォートシステムパッド180)が外れて、いずれかの場所で落としてしまったもの
06_4) 損害内容
新たにマット(モンベル/U.L.コンフォートシステムパッド180)、U.L.コンフォートシステムピロー(枕)、ピローカバー以上3点を購入した。計14,194円の出費
06_5) 対処方法
新たに購入したマット等を始め、持ち物ににすべからく住所と氏名をマジックで記入した。さらにまたザックへの外付けはなるべく避けるようにしたい。
【ケース07】ザックのショルダーベルトが切れた-想定外事例-
07_1) 山域(問題発生地点)
南アルプス南部縦走のためJR飯田駅に向けての移動中(JR中央本線・電車内)
07_2) 山行日
2016/8/5
07_3) 概要
電車により前泊地まで移動中、乗り換えのためザックを背負った際、ザックのショルダーベルト(左側)が突然切れた。突然のことで驚いたが、切れたショルダーベルトの端をあらかじめザックに備え付けられていたリングに結びつけることにより対処した。この状況のまま南アルプスを縦走した。
07_4) 損害内容
なし
07_5) 対処方法
帰宅後、切断した部分について縫い物の心得のある親族に堅く縫ってもらった。いずれ買い換える必要があるように思われる。このような突然のアクシデントでも今後も冷静に対処したい。まずは損害の状況をじっくり観察することが肝要であるように思われる。これは身体のアクシデントの場合にも言える。
07_6) 備考
南アルプス南部縦走「三伏峠-塩見岳-北岳-広河原」
【ケース08】キャンプ場でサンダルを亡失-失敗事例-
08_1) 山域(問題発生地点)
白馬岳・山頂域(白馬岳村営頂上宿舎・テント場)
08_2) 山行日
2016/8/24
08_3) 概要
テントの撤収時にサンダルをザックのトラップに外付けするのを忘れ、そのまま「唐松岳」に向けて出発。亡失に気づいたときは既に「不帰ノ嶮(かえらずのけん)」にかかっていたため戻ることができず、そのまま「キャンプ場への寄付扱い」とさせていただいた
08_4) 損害内容
ホームセンターで購入したサンダル代(\498)
08_5) 対処方法
出発時に忘れ物がないか再度点検するようにしたい。出発時は辺りがまだ暗いことが多いため、新たに購入したサンダルには目印となるよう蓄光テープを貼っておいた。
なお、忘れ物に気づいた場合、「取りに戻るか、そのままとするか」いずれかに決めたら「引きずらないこと」である。経験則上、集中力を欠くと特に難路ではアクシデントを招きやすい。一度決めたらきっぱりと割り切りたい
08_6) 備考

【撮影日時】2016年8月25日8時45分
【撮影地点・タイトル】不帰ノ嶮・二峰北峰
【コメント】不帰ノ嶮の最大難所
【ケース09】背中を著しくヤブ蚊に刺された-想定外事例-
09_1) 山域(問題発生地点)
鳥海山、長坂ルート(山の神・登山口からガラ場までの間)
09_2) 山行日
2016/9/16
09_3) 概要
ザックと背中の隙間部分を集中的に著しくヤブ蚊に刺された。化繊の長袖シャツの上から刺された模様
09_4) 損害内容
下山後、痒みが生じたが、4から5日程度で消失した。
09_5) 対処方法
虫除けスプレーを吹きかけることができなかった部分を集中的に刺された感あり。「ヤブ蚊シーズン(初夏から秋にかけて)」の「藪濃いルート」では「吹きかけ方」に注意するのが望ましいが、それでも完全に防ぐのは経験則上無理であるように思われる。この場合ある程度刺されることは覚悟したい。

【撮影日時】2016年9月16日6時48分
【撮影地点・タイトル】長坂道・堅餅岩
【コメント】ここからガラ場までの区間で刺された模様
【ケース10】降車すべきバス停を乗り越した-想定外事例-
10_1) 問題発生地点
濃尾バス-平湯・新穂高線線(新穂高温泉バス停)
10_2) 山行日
2016/9/28
10_3) 概要
新穂高無料駐車場までバスでの移動の際、最寄りのバス停である「深山荘前」で降車すべきところを乗り越してしまった(結局、次のバス停「新穂高温泉」で下車)
バス停の名称を「みやまそうまえ」だとばかり思い込んでいたが「しんざんそうまえ」が正解だった。最近視聴したテレビドラマの主人公の名前が「みやま」だったことで思い込みをしてしまっていた。そのことに加え「降車バス停」を表示する車内前方の「電子表示板」の表記が「ひらがな限定表記」だったこともあり、降車バス停に気づかなったことが重なってのミスである
10_4) 損害内容
下車後、新穂高駐車場まで雨の中約10分程度歩いた
10_5) 対処方法
音読み、訓読みのどちらでも「ありがちな名称」の「バス停」や「地名」は事前に確認しておいた方がよいように思われる
【ケース11】ガスカートリッジのガスが使用中なくなった(パート2)-想定外事例-
11_1) 山域(問題発生地点)
裏銀座縦走(烏帽子小屋<>のキャンプ場)
11_2) 山行日
2017/9/29
11_3) 概要
ガスカートリッジとクッカーで自炊しようとしたところ、途中でガスの出が弱くなり、最終的に完全ガス欠。ただし今回は(ケース02)での失敗を踏まえ、山行前にカートリッジの残量チェックを行っていた。その結果は「75%の残量あり」だったため、ガス欠になったときの「理不尽さ」は筆舌に尽くせないものがあった(ガス漏れが原因なのか?)
次の宿泊予定地は奇しくも(ケース02)と同様の双六山荘。双六山荘の受付にてガスカートリッジは販売してないかと問い合わせたところ、そもそも取り扱っていないとの回答。併せて次のような説明があった。
説明_1 午後7時まで営業している軽食(主要メニュー:ラーメン、中華丼、おでん)で対応せよ
説明_2 テント泊者は山小屋泊者と完全分離。よって山小屋泊者への食事提供メューの注文不可
ちなみに、途中通過した「三俣山荘」では、次のような対応だった。「販売したいところだが4つあったガスカートリッジが売れ切れてしまい、お売りできません」
これらのことから、ケース02と併せ次のことが言える。【北アルプスではガスカートリッジの調達はほぼ不可能】
このとき、双六小屋のフロントでの上記の「やりとり」を背後で聴いていた他の登山客(キャンパー)から「声かけ」があった。「予備のガスカートリッジを持っているので譲りましょうか?」
ありがたく承った。小型のガスカートリッジを御礼とともに500円で譲り受けた。同時に予備のガスカートリッジを持参する「プロのトレッカ-」の流儀に感銘を受けた。
11_4) 損害内容
強いて言えば「ガスカートリッジの購入費用(500円)」ということになるが、ガスカートリッジを得た事による利益(当初予定どおりの夕食にありつけたこと)を考えるならば損害はないものと考える。
11_5) 対処方法
特に複数日数を要する縦走では、ガス残量チェック済のカートリッジ(中型を想定)の他、予備の小型のカートリッジも持参したい。
【ケース12】有料の無人小屋に宿泊しようとしたとき小銭が全くなかった-失敗事例-
12_1) 山域(問題発生地点)
12_2) 山行日
2017/10/16
12_3) 概要
管理人が不在であったため、当日の宿泊代1,500円を玄関先のポストに入金しようとしたところ小銭が全くないことに気づいた。結局、千円札2枚(二千円)を投入した。
12_4) 損害内容
発生していないものとしたい。超過額500円については小屋の管理費用として寄付扱いとさせていただきたい。ただし、金銭を支払う状況が予想できていたにも関わらず、必要な小銭を事前に用意していなかったことを反省点としたい。
12_5) 対処方法
宿泊代については事前リサーチによりあらかじめ確認し、確実に用意しておきたい。
12_6) 備考(山域内に持参するお金について)
経験則上、山域内においては五千円・壱万円札はあまり役に立たない。某日本アルプス山域内の山小屋において、五千円札で水分(水かスポーツドリンクだったかと思う)を購入しようとした先客が販売を断られたケースを目撃したことがある。釣り銭に困るというのがその理由らしい。いずれにしても五千円、壱万円札は敬遠される傾向にある。登山バス等の公共交通機関でも同様。これまた五千円札で運賃を支払おうとした先客が運賃受領を拒否されている姿を目撃した。このときは登山口から最寄りのJRの駅までのいわゆる「下り・登山バス」だったこともあり、結局、駅に隣接する郵便局のATMで千円札を引き出して対処した模様。仮に登山口に向かう「上り・登山バス」だったら相当面倒なことになっていたものと推察される。
13) 早池峰山・河原坊の駐車場で一泊二日の駐車をした-想定外事例-
13_1) 山域(問題発生地点)
早池峰山・河原坊(早池峰自然保護センターの下にある無料駐車場)
13_2) 山行日
2018/6/5
13_3) 概要
登山口と下山口が異なる山行だったため、山行前日(6/4)に下山予定地である「河原坊・駐車場(無料)」まで車を運転し、そのままその駐車場に車をとめておいた。翌日、登山を終えてあらかじめ駐車しておいた車に乗って帰宅しようとしたとき、駐車場から100メートル程度離れたところにある「早池峰自然保護センター」の職員?と思われる担当者が駆け寄ってきて次のように忠告された。
「駐車場に1泊2日で駐車する場合はあらかじめ断りを入れなさい。マナーです」とのこと。話しを聞くと、早池峰山の山頂域には宿泊できる小屋がないため「早池峰山は登山口と下山口が同一の日帰り登山しかあり得ない」ということを前提にしての忠告だった模様
13_4) 損害内容
なし
13_5) 対処方法
「郷に入っては郷に従え」である。河原坊・駐車場にて1泊2日以上の駐車をする場合は「早池峰自然保護センター」に出向いて係員に断りを入れるようにしたい。なお、駐車場に隣接した場所にキャンプ場(平成20年の定例山行における「笠詰キャンプ場」とは異なる)があるが、ここで泊まりがけのキャンプを行う場合も当然のことながら事前連絡せよとのことであった。
13_6) 備考
これまで日本アルプスや大朝日、飯豊連峰等に泊まりがけで入山することは多々あれども、登山口に隣接する無料の駐車場に車を複数日数駐車したことで「マナー違反」を問われたことは一度もない。例えば、北アルプス・裏銀座縦走の起点である七倉温泉・七倉山荘(長野県大町市)前にある駐車場や白馬岳・登山口にある蓮華温泉(新潟県糸魚川市)に隣接する駐車場に複数日数駐車した実績があるが、温泉施設の担当者から上記のような忠告を受けたことがない。このような実績やこれまでの経緯を踏まえ、忠告をされた方に対しては「日をまたいで駐車する場合は断りを入れるよう看板を設置されたらどうか」と提案させていただいたところである。なお今回「河原坊・駐車場」に駐車した理由は、「小田越近辺には駐車しないようにしてください」との看板(早池峰自然保護センター近傍の道路脇にあり)を見ての判断であることを申し添えたい。
(以上)
Comments